決算書の読み方シリーズ 貸借対照表とは その4

貸借対照表の読み方 その4

 

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固定負債の分析

 

決算書の読み方シリーズ、パート4です。今回は貸借対照表の右側の固定負債の部を見ていきます。

 

 

固定負債とは

まず固定負債とは「長期に渡って返済しなくてはならないお金」のことです。こちらも会社から出て行ってしまうお金のことなので固定負債の合計額は少ない方が良いです。借金経営とよばれるのは主にこの固定負債があるかないかの話で、固定負債がゼロだと無借金経営であるというわけです。しかし大半の会社は借金があります。あって当たり前なので悪いことではありません。ただしその借金が多すぎると資金繰りの圧迫や、決算書のガンとなったり、いろいろと悪い結果を生み出してしまいますので要注意です。自分でいくらまでなら借入金を増やそう、などと考えて融資を受けることです。絶対に銀行員などに流されるまま融資を受けてはいけません。では、どれくらいまで固定負債額を抑えておけば良いのかというと、資産の4割程度が理想的です。ただし流動負債と同様に、自己資本の部を大きく肥やすことと同時に行わなくてはならないため、時間をかけて改善しなくてはならないところです。

それでは固定負債の内訳をみてみましょう。

 

〇 長期借入金

長期にわたって返済しなくてはならない借入金のことで、銀行や政策金融公庫からの融資がこれに該当します。社内の設備を充実させるための設備資金や、普段の支払いなどのための運転資金として借入れすることが多く、そのどれもが長期ローン(5~10年など)での返済プランとなります。決算書の読み方シリーズ3で短期借入金について述べましたが、それと同様に資金繰りが良好な会社であれはとくに気にすることなく返済しておけば良いのです。しかし、資金繰りが苦しいと人体におけるガン細胞のように会社を蝕んでいく存在です。その時には不要な資産、もしくは売ることができる資産から現金を捻出し、借入金を繰上返済してしまいましょう。固定負債が具体的にどれほど資金繰りに影響を与えるのかはまた別に記事を書きたいと思います。

 

〇  役員借入金

資金繰りがショートしそうな時や、急な要り用でまとまったお金を用意したい場合に役員借入金というものを計上することがあります。個人事業でよくみられるこの役員借入金というものは、社長や、社長の身内(役員)が会社のために身銭をきることで発生します。つまり役員から借りたお金です。借りたお金なのでいずれは役員へ返してあげなくてはなりません。そのため固定負債に仕分けされます。この役員借入金は特別な使い道があり、そのまま会社の資本に組み込むことができます。

資本金1,000万  、  役員借入金1,000万

の状態から、

資本金2,000万  、  役員借入金0

というふうにできます。ただし、この増資には意味がないのでオススメしません。資本金が増えれば自己資本の部で少しだけ良い方へ影響しますが、資本金にもランクがあり、資本金3,000万に到達しないのであれば1,000万のままでいましょう。資本金について詳しくはまた後日ということで。

では役員借入金の使い道はどうするのが良いのでしょうか?

 

債務免除

債務免除、通称DES(デッドエクイティスワップという経理処理方法があります。これも詳しくは後日、自己資本比率と関連付けて記述するつもりですが、赤字が膨らんだ場合に役員借入金をあてがい、赤字の相殺を図ることができます。返せない役員借入金はいっそ利益として計上してしまおう!というのがこの債務免除なのです。その代わり役員にお金を返すことができなくなるので役員次第の方法です。これができる役員は本当に会社のためを思うことができる人です。

 

 

 〇 その他の長期未払金

その他には長期的な未払金があります。会社としてリースしたり、ローンを組んで購入したものがここに計上されます。内訳がわからない場合は経理帳簿から探したり、決算書を作った経理担当者、もしくは顧問の税理士に相談しましょう。

 

 

固定負債とは長期なわたって返済しなくてはならないお金のことです。資産の4割程度になるよう資金繰りをコントロールしましょう。同時に利益を出し続けることで自己資本を増やし、貸借対照表の右側だけで

流動負債2 : 固定負債4 : 自己資本4

の割合に作りあげます。借金を返済して固定負債4を維持するか、固定負債が増えたぶん、自己資本の利益を増やすことで資産全体の底上げをするかのどちらかです。

 

流動負債2 : 固定負債0 : 自己資本8

流動負債の時にも書きましたがこれくらいの決算書バランスを目指して経営するのが理想です。ただし、この状態で満足してはいけません。資金繰りが良好であるならば積極的に融資を受けて資金調達し、新規事業を考えていきましょう。現状維持の会社になれば先はありません。